泉佐野市名の命名権売却はおかしい

  

関西国際空港の周辺開発で破綻状態の泉佐野市

 大阪府の泉佐野市が、市名の命名権(ネーミングライツ)の導入を検討しているという。
泉佐野市は関西国際空港の開港に合わせ大型開発を進めたが頓挫、財政が悪化し、平成21年度に早期健全化団体に指定され、人件費カットなど歳出削減に取り組んでいるが、23年度末の財政収支は8億7000万円の赤字が見込まれています。
どこの自治体も、収入増のため、企業などに命名権を売却するネーミングライツを導入しているが、ほとんどが自治体の施設や道路の通称名であり、市の名称自体を販売するのは異例です。
 泉佐野市は、今年の6月から11月迄募集する予定で、契約期間は1から5年。毎年、市の名称が変わることもあるわけで、泉佐野市民とっては、戸惑うのではないでしょうか。また、財政危機に陥っている泉佐野市のイメージを商品化する企業があるとは思えません。仮に命名権が売却された場合、泉佐野市は増収かも知れませんが、その都度、大阪府や市町村の書類の書き換え、交通機関の駅名表示変更など多くの企業団体が余計な経費負担がかかることになります。
 これまで、トヨタ自動車本社がある豊田市は、それまで挙母市であったが、「自動車の町」にするため名称変更したなど、地域の特性から自治体名称を命名したケースはありますが、今回の泉佐野市の逆の発想ですが、収入確保のためとはいえ、なりふり構わず市名を売ることはなじまないでしょう。

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ロンドン五輪を賭けたマラソン選考

 日本陸上競技連盟は3月12日、注目を集めていたロンドン五輪の男女マラソン代表を発表しました。男子は藤原新(30)、山本亮(27)、中本健太郎(29)。女子は重友梨佐(24)、木崎良子(26)、尾崎好美(30)。関心の高かった埼玉県職員の川内優輝(25)は落選し、補欠にすら選ばれませんでした。
○…選考基準を明確に…○
 川内優輝選手は、市民ランナーで、陸連の育成選手ではなく、公務員というフルタイムで仕事をこなしながら、監督、コーチやトレーナーもなく、出勤前の2時間だけの走行と就寝前のダンベルとゴムチューブのトレーニングという独自の練習で成果を出してきました。そんな選手が五輪代表や補欠になってしまっては、恵まれた練習時間とトレーニング設備を与えられ、遠征や合宿にコーチまでつけてもらえる実業団選手や育成してきた陸連は苦々しい思いをしていたに違いありません。意図的に川内をはずしたと思いませんが、実業団選手に有利な選考になった印象が残ります。
そうでないにしても、選考基準は「五輪で活躍が期待される競技者」とあるだけで不明確。選考レース4大会から3人を選ぶのに、タイムか順位なのか基準を設定すべきと思います。
○…リオ五輪で“市民の星”を…○
 昨年12月の福岡国際で、日本人最高位となる3位を獲得し、有力候補になりながら、タイムに不満とリスクを背負って東京マラソンに挑んで五輪を逃がしました。「陸上界の前例を壊す」などと公言し、“異端児”を自任し組織にはまらず、孤軍奮闘してきた生き様が、多くの国民が拍手喝采、共感を呼んだ。
既成政党に飽きて大阪維新の会の橋下徹大阪市長を支持するのと似通っています。
日本陸連のメンツやメダル獲得も大事だが、五輪で“市民の星”が出場しメダルが取れなくても一生懸命に奮闘する姿勢に、夢と期待を国民に与えることのほうが、五輪の意義があるのではないでしょうか。4年後のリオデジャネイロ五輪で、“市民の星”が走る姿を見せてほしいものです。

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東日本大震災から1年

本日は、東日本大震災から1年。
世界最大級の地震と津波によって、死亡された方は1万5854人。行方不明のままの人は3155人。いまなお避難生活を強いられている人は34万3935人にのぼります。原子力発電所事故の影響もあり復興の歩みは遅々として進んでいません。
〇…首相官邸の混乱…〇
 人々を不安に陥れた原発事故は、危機管理の中枢・首相官邸の初動のまずさにあると言われています。第3者機関の「福島原発事故独立検証委員会(民間事故調)」の報告で明らかのように、菅首相の過剰な現場介入や官僚に対する威嚇など極度の疑心暗鬼でパニック状態、場当たり的な対応しか出来なかったことにあります。危機管理のトップに資質がなかったと言わざるを得ず、5ヶ月後には退陣しましたが責任は大きい。
○…後手に回る復興策…○
 復興の妨げになる大量のがれきは、岩手、宮城、福島3県で2253万トン。埋め立てなどで最終処分されたのは全体の6.3%の143万トンにすぎません。政府ががれき処理の受入体制を積極的に行ってこなかったことが原因です。政府が主導して、まずは東北の近隣県から受入先を確保し、全国に広げていく必要があります。また、野田政権が目玉と位置づけた東日本大震災復興交付金は、3月2日に発表した第1回交付額は2509億円。3県の申請額の65%に過ぎません宮城県の村井嘉浩知事は、「配分内容、額ともに納得いかない。改善してほしい」と復興庁に訴えています。この交付金は5省40事業に限られており、災害復興という事情から地方で判断した事業には自由に使えるようにすべきです。申請内容を霞ヶ関で“査定“するというこれまでの手法は地方分権に沿いません。
○…東南海・南海地震への対策…○
 私が大阪府議選に初めて挑戦したのが、阪神淡路大震災の発生した平成7年でした。その教訓から枚方市に緊急提言を行い枚方市の防災計画に反映できましたが、勇退した平成23年は、東日本大震災の発生で、不思議な巡りと思います。
100年毎に繰り返してきた東南海・南海地震は、既に70年が過ぎ、30年以内には巨大地震が起こると言われています。今回の東日本大震災をも教訓に広域的な対策をさらに進めなければなりません。

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